溶接とは部材同士の接合を指しますが、肉盛溶接は溶接の特徴を表面処理技術として応用する
手法です。
生産機械および建設機械などの構成部品には、必要に応じて耐摩耗性・耐食性・耐熱性などの性能
が必要になります。
肉盛溶接は、母材に約1mm以上の厚さの肉盛金属を作る方法であり、その利点・欠点は以下の通りです。
① 肉盛溶接は母材と完全に融合し、金属結合している。従って母材との接着強度が高い。
② 溶着速度が高く、作業効率が良い。また肉盛厚さを目的に応じて厚くすることが出来る。
③ 肉盛金の金属は冶金反応に基づき生成され、高品質である。
④ 大きな部材への適用に寸法上の制限がない反面、小さく複雑な形状の部材には施工は
困難である。
⑤ 肉盛金属の溶融、凝固に伴う収縮応力で母材が変形する恐れがある。
⑥ 溶け込みが深くなると、肉盛金属の母材に対する希釈が増大し、もともと持つ諸性質が
劣化する可能性がある
シャフトなどの硬化肉盛溶接の場合、肉盛溶接後に機械加工をしますが、肉盛溶接量が増えると
製品の熱変形や、機械加工の工数が増えるため後工程の価格が高くなってしまいます。
当社では、その性能を損なうことなく出来る限り溶着量少なくすることで変形を低減し、さらに
後工程の費用を押さえる事でトータルコストの低減を図ることが出来ます。
溶接方法は半自動溶接(MIG,MAG)、アルゴン溶接(TIG)、手棒溶接、ガス溶接が施工でき、
溶接材料もコルモノイ、ステライト、チタン、ハステロイ、銅金属(アームブロンズ)、各種SUS
など幅広く対応しております。